大気中の炭素は5.1GtC/年で蓄積が進み、毎年世界で未曽有の気候災害が報告され、気候変動がもたらす地球規模での社会・経済・金融への影響は人類がコントロールできない状況に陥っており、既に我が国を含む約130か国が2050年までのカーボンニュートラルを宣言した。食農産業は全温室効果ガスの25%を排出し、抜本的な産業転換が急務である。一方で、農地は、地球の陸地面積の4割を占め、炭素を隔離・貯留する観点で最有力候補である。2015年COP21にて、環境再生型農業の導入により土壌炭素を毎年4‰増やすことで将来的な大気中CO2増加をゼロに抑制することが可能との推計の下、4‰イニシアチブが開始された。環境再生型農業は土壌を活用した炭素隔離を進めつつ、土壌の健全性(有機物、微生物・生物叢、保水力、栄養素、団粒構造等)を高めることによって、農地の生産力とレジリエンスを増す。農家には単収増・生産安定化と炭素クレジット機会の両面で利益がある。土壌炭素を高める方策と計測・検証方法の研究開発が世界中で進展しているが、地域・土壌・作物により炭素動態は多様である。トウモロコシや小麦、大豆等は先進国が中心で研究が進められてきたが、特に途上国が中心の熱帯地域の作物・土壌でエビデンスベースの研究蓄積が限られている。
私達の強み

複合分野で取り組みます
土壌学、植物栄養学、栽培学、遺伝学の研究者に加えて農学関連の炭素クレジット研究の専門家の合同チームです
私たちは何ができるのか?
キャッサバは貧栄養の土地においても生育期間を長くすることで収穫が可能になる特性を持ち、土壌の養分を減耗させる。ベトナム南部のキャッサバ農地もその影響ですでに土壌有機炭素含量が低減している。
